違法金利を可能にしている理由
では、なぜ違法金利を可能にしているのでしょうか
ここで、金利に関する法律をお話してみたいと思います。
みなさんは、「グレーゾーン金利」という言葉を聞いたことがありますか。
最初に、そのグレーゾーン金利についてお話しします。
グレーゾーン金利とは、
俗称であり、そういう金利があるわけではなく、ある一定の利率の範囲をグレーゾーンと呼んでいます。
まず、下限の方です。
利息制限法という法律があります。 その1条1項の文言をご紹介します。
- 利息制限法第1条
- 1項
金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。
元本が十万円未満の場合・・・年二割 - 元本が十万円以上百万円未満の場合・・・年一割八分
- 元本が百万円以上の場合・・・年一割五分
つまり、 この利息制限法の定める利率を超える利息は、その超過分につき無効であるというとです。
- 例えば、100万円を利率25%でお金を借りたとしましょう。
利息制限法によれば、100万円の場合は、15%が上限となりますから、年15万円が利息です。 しかし、この場合は、25%の契約になっていますから、年25万円の利息がかかります。
そして、超過分は25−15=10 10万円分の利息は、無効です。
無効ということは、払わなくてもよい、そもそもそんな利息は有効な契約として認められないということです。
グレーゾーンの下限は、元本によって15〜20%の間で変わるということですね。
次、上限。
利息制限法に違反しても、なんら罰は受けません。
50万円(利息制限法では利率18%)で27%の金利でも、
9%分の利息は無効になるだけであって、なんら罰則はありません。
だったら、債務者の弱い立場を利用して、また、無知なのを利用してどんなに高い金利を設定してもいいかというと、そうではありません。 出資法という法律があります。
-
第5条2項
金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年29.2パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
「金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付を行う〜」 これは、つまり資金業者です。
その貸金業者が、利率29.2%を超える利息の契約をした場合、刑罰を受けることになるんです。
利息制限法違反は、刑罰を受けませんが、出資法違反は刑罰があるのです。
誰だってそうですが、いくら債務者の足元を見て利息を30%にしても、刑罰を受けてしかも営業停止になってしまうんじゃ出資法を守った方が良いに決まってますよね?
だから、ヤミ金融でもない限り、この出資法はどこの業者でも尊重しています。
利息制限法の15〜20%が下限、そして出資法の29.2%が上限。 これが、グレーゾーンです。
つまり、
利率20.1%から29.2%までの利率がグレーゾーン金利というわけです。
消費者金融の多くが、なぜ無効である利息制限法を超える利息を徴収しているのでしょうか。
理由は、2つあります。
ひとつは、先ほども言いましたように、利息制限法違反には罰則がないということです。
そもそも、利息制限法は民法系の法律であり、民法というのは、我々市民間同士の取り決めです。
ですから、民法の規定は、「こうなるとこうなる」とか「こうしたら〜しなければならない」という要件・効果しか取り決めていないんです。
民事裁判をイメージして頂きたいのですが、あれは当事者同士の争いごとで、どっちが勝つか、どっちが負けるかを、裁判所が間に入って勝者を決めるものです。
対立構造は、単純に言って市民対市民です。
他方、刑事裁判は、取り締まらなければならないようなことを、裁判所が間に入ってこの罪を犯した人は、罰を受けなければならないかどうかを判断することです。
対立構造は、国(検察官)対市民(弁護士)です。
若干、話がずれてしまいましたが、利息制限法には罰則がないのが消費者金融がグレーゾーン金利を徴収している理由のひとつです。
もうひとつ。こちらのほうがより本質的です。また法律が出てきます。
貸金業の規制等に関する法律。通称、貸金業規制法。
これは、貸金業を生業とする業者に対する規制と権利を与える法律です。
消費者金融もクレジット会社も、全てこの法律の取り決めをもとに行政から貸金業を営むことを認められており、また、その活動が消費者に不利益を与えないように規制を受けています。
この法律の中に、「みなし弁済」と呼ばれている規定があります。
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貸金業規正法43条
利息制限法超過利息であっても(中略)債務者が任意に利息として支払った場合は 有効な利息の弁済とみなす
利息制限法違反であっても、要件さえ満たせば、それは有効な利息の支払いだとみなされるんですね。
なんでこんな法律が存在するんだと思われるかもしれませんね。 私も同感です(苦笑)。
この法律の存在の、合理的理由が見出せません。 本音は、法律を作る議員も「色んなせめぎ合い」の中でやっているんで、時にはこんな歪なことが起こりうるんでしょうね・・・
この「みなし弁済」規定は、貸金業者にとって非常に都合の良い規定です。
ようするに、貸金業者側は、この「みなし弁済」規定を利用して 利息制限法違反を合法化しているのです。
借金の世界が、複雑でややこしいを言われる所以はこの部分です。
